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法律・コンプライアンス

デイサービスの契約書を電子化できる?法的有効性を解説

作成: AI監修: 金井泰樹 2026年2月2日
デイサービスの契約書を電子化できる?法的有効性を解説

「デイサービスの契約書って、電子契約にしても大丈夫なの?」

こんな疑問をお持ちの介護施設管理者や事務担当者の方は多いのではないでしょうか。利用者やそのご家族と交わす契約書、重要事項説明書、個人情報同意書など、デイサービスでは多くの書類が発生します。紙での管理は保管場所の確保や紛失リスク、印刷コストなど、様々な課題があります。

結論から言えば、デイサービスの契約書は電子契約で締結することが可能です。ただし、介護保険サービスという特性上、いくつかの注意点があります。この記事では、デイサービスにおける電子契約の法的有効性から、導入時の注意点、具体的なメリットまで、初めての方にも分かりやすく解説します。

デイサービスで発生する契約書の種類と現状の課題

デイサービス(通所介護)事業所では、利用者一人につき複数の書類を作成・保管する必要があります。まずは、どのような書類が発生するのか整理してみましょう。

主な契約関連書類としては、以下のものがあります。

  • 通所介護サービス利用契約書
  • 重要事項説明書
  • 個人情報使用同意書
  • 介護予防・日常生活支援総合事業利用契約書
  • 各種加算に関する同意書

これらの書類は、利用者ごとに作成し、署名・捺印を得て保管しなければなりません。介護保険法に基づく運営基準では、契約書等の記録を2年間保管することが義務付けられています。自治体によっては5年間の保管を求めるところもあります。

現状、多くのデイサービス事業所では紙の契約書を使用しています。しかし、紙での運用には様々な課題があります。

まず、保管スペースの問題です。利用者数が増えるほど書類も増え、事務所内のキャビネットが書類で埋まってしまうケースは珍しくありません。また、必要な書類を探すのに時間がかかる検索性の低さも課題です。

次に、契約締結時の負担があります。利用開始時には複数の書類に署名・捺印をいただく必要があり、ご高齢の利用者やご家族にとって負担となることがあります。特に、ご家族が遠方にお住まいの場合、書類のやり取りに時間がかかります。

さらに、紛失・破損のリスクも見逃せません。紙の書類は火災や水害で失われる可能性があります。デイサービスは介護保険サービスであり、監査時に書類の提示を求められることがあるため、確実な保管が求められます。

電子契約の法的有効性はどうなっている?

「電子契約に法的効力はあるの?」という疑問は、多くの方が抱くものです。この点について、法律の観点から解説します。

日本において、電子契約の法的有効性は「電子署名及び認証業務に関する法律」(電子署名法)によって担保されています。電子署名法第3条では、電子署名が本人によって行われたものである場合、その電子文書は真正に成立したものと推定されると規定されています。

これは、紙の契約書における署名・捺印と同等の法的効力が電子署名にもあることを意味します。つまり、適切な電子署名を用いた電子契約は、裁判においても証拠として認められるということです。

介護サービスの契約に関しても、電子契約を禁止する法律はありません。民法上、契約は当事者間の意思の合致によって成立するものであり、その形式は問われません。口頭での契約も法的には有効です。ただし、介護保険サービスでは書面による契約締結が運営基準で求められているため、電子契約を利用する場合は、電磁的方法による対応が認められているかを確認する必要があります。

厚生労働省は、介護サービスにおける書面規制の見直しを進めてきました。令和3年度の介護報酬改定に伴い、利用者への説明・同意等について、電磁的方法による対応が認められるようになりました。これにより、デイサービスを含む介護サービス全般で、電子契約の活用が法的にも明確に認められたのです。

ただし、電子契約を導入する際には、利用者またはそのご家族が電磁的方法による契約締結に同意していることが前提となります。紙での契約を希望される方には、従来どおり紙の契約書で対応する必要があります。

介護保険制度における電子契約の位置づけ

介護保険サービスにおける電子契約の取り扱いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

厚生労働省が定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」では、デイサービス事業者に対して、サービス提供開始前に利用者またはその家族に対して重要事項を説明し、同意を得ることを義務付けています。

従来、この説明・同意は書面で行うことが原則とされてきました。しかし、令和3年度の改正により、利用者等の承諾を得た上で、電磁的方法による対応が可能となりました。

電磁的方法とは、具体的には以下のような方法を指します。

  • 電子メールによる送受信
  • 電子契約システムを利用した契約締結
  • CD-ROM等の電磁的記録媒体による交付

重要なポイントは、利用者等が電磁的方法による対応を承諾していることです。この承諾は、書面または電磁的方法により得る必要があります。

また、電子契約で締結した契約書等は、電磁的記録として保存することが認められています。ただし、保存期間は従来の紙の書類と同様であり、自治体が定める期間(多くの場合2年から5年)は確実に保存しなければなりません。

監査時の対応についても触れておきましょう。介護保険サービス事業所は、定期的に行政による実地指導や監査を受けます。電子契約で締結した書類についても、求めに応じて提示できる状態にしておく必要があります。多くの電子契約システムでは、契約書をPDF形式で出力できるため、印刷して提示することも可能です。

デイサービスで電子契約を導入するメリット

電子契約を導入することで、デイサービス事業所にはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

第一に、業務効率の向上があります。紙の契約書では、印刷、製本、郵送、回収、保管という一連の作業が必要でした。電子契約では、これらの作業が大幅に簡略化されます。契約書の作成から署名依頼、締結完了まで、システム上で完結できます。

利用開始時の手続きを例に考えてみましょう。従来は、契約書類一式を印刷し、利用者宅を訪問して説明・署名をいただき、事業所に持ち帰って保管するという流れでした。ご家族が遠方にお住まいの場合は、郵送でのやり取りとなり、数週間かかることもありました。

電子契約であれば、システムから契約書を送信し、利用者やご家族はスマートフォンやパソコンで内容を確認・署名できます。遠方のご家族でも、インターネット環境があれば即日対応が可能です。

第二に、コスト削減効果があります。紙の契約書には、印刷費用、用紙代、郵送費用、保管費用など、様々なコストがかかります。電子契約に移行することで、これらの費用を削減できます。

特に、郵送費用の削減効果は大きいです。契約書類を郵送する場合、簡易書留を利用することが多く、1通あたり数百円の費用がかかります。新規利用者の多い事業所では、年間で相当な金額になります。

第三に、保管・管理の効率化があります。電子契約で締結した書類は、クラウド上に自動的に保存されます。物理的な保管スペースが不要になるだけでなく、検索機能を使って必要な書類をすぐに見つけることができます。

火災や水害による書類の消失リスクも軽減されます。クラウドサービスでは、データが複数の場所に分散して保管されるため、災害時のバックアップとしても機能します。

第四に、利用者・ご家族の利便性向上があります。ご高齢の利用者にとって、複数の書類に署名・捺印する作業は負担になることがあります。電子契約では、タブレット画面上でタッチするだけで署名が完了するため、身体的な負担を軽減できます。

また、ご家族が仕事で忙しい場合でも、空いた時間にスマートフォンで契約内容を確認・署名できるため、日程調整の手間が省けます。

導入時の注意点と準備すべきこと

電子契約の導入にあたっては、いくつかの注意点があります。スムーズに導入を進めるために、事前に確認・準備しておきましょう。

まず、利用者・ご家族への説明と同意取得が必要です。電子契約を利用するには、利用者またはそのご家族から電磁的方法による契約締結について承諾を得なければなりません。すべての利用者が電子契約に同意するわけではないため、紙の契約書での対応も継続できる体制を維持することが重要です。

特に、インターネットやスマートフォンに不慣れな方への配慮が必要です。電子契約を強制するのではなく、あくまで選択肢の一つとして提案するスタンスが望ましいでしょう。

次に、自治体への確認をお勧めします。介護保険サービスの運営基準は、厚生労働省の省令に基づき、各自治体が条例で定めています。電子契約の取り扱いについて、所管の自治体に事前確認しておくと安心です。

電子契約システムの選定も重要なポイントです。介護サービス事業者が電子契約システムを選ぶ際には、以下の点を確認することをお勧めします。

  • 操作が簡単で、ITに詳しくない職員でも使えるか
  • 利用者側の操作も簡単か(アプリのインストールが不要など)
  • 契約書のテンプレート機能があるか
  • 保管・検索機能が充実しているか
  • セキュリティ対策は十分か
  • 導入費用・月額費用は予算に見合うか

立会人型電子契約サービスであれば、利用者側でアカウント登録やソフトウェアのインストールが不要なため、デイサービスのように利用者がご高齢である場合に適しています。メールで届いたURLをクリックし、内容を確認して同意ボタンを押すだけで契約が完了します。

社内体制の整備も忘れずに行いましょう。電子契約を導入する際には、誰がシステムを管理するのか、契約書の送信は誰が担当するのか、といった役割分担を明確にしておく必要があります。また、職員向けの研修を実施し、システムの操作方法を周知することも大切です。

電子契約導入の具体的なステップ

最後に、デイサービス事業所が電子契約を導入する際の具体的なステップをご紹介します。

ステップ1は、現状の把握と課題の整理です。現在、どのような契約書類があり、年間何件程度の契約を締結しているか、保管場所や管理方法に課題はないかを確認します。これにより、電子契約導入による効果を具体的にイメージできます。

ステップ2は、自治体への確認です。所管の自治体に、電子契約の利用について問題がないか確認します。多くの自治体では既に電磁的方法による対応を認めていますが、独自のルールがある場合もあります。

ステップ3は、電子契約システムの選定です。複数のサービスを比較検討し、自施設に合ったものを選びます。無料トライアルが用意されているサービスであれば、実際に操作感を試してから判断できます。

ステップ4は、契約書テンプレートの準備です。既存の紙の契約書をもとに、電子契約用のテンプレートを作成します。この際、重要事項説明書など、法令で定められた記載事項が漏れていないか確認しましょう。

ステップ5は、職員研修の実施です。システムの操作方法、利用者への説明の仕方、トラブル時の対応方法などを、実際に契約業務を担当する職員に周知します。

ステップ6は、段階的な導入開始です。いきなり全面移行するのではなく、まずは新規利用者の契約から電子契約を利用し、徐々に対象を広げていくことをお勧めします。既存利用者については、契約更新のタイミングで電子契約への切り替えを提案するとスムーズです。

電子契約は、介護業界全体でデジタル化が進む中、業務効率化の有力な手段となっています。法的な有効性も認められており、正しく運用すれば安心して利用できます。この機会に、貴施設でも電子契約の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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作成

AI

監修

金井泰樹

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