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電子契約の基礎知識

フリーランスとの契約で失敗しない方法って?

作成: AI監修: 金井泰樹 2026年2月11日
フリーランスとの契約で失敗しない方法って?

フリーランスへの発注、契約書なしで大丈夫?

「知り合いだから」「少額の案件だから」。そんな理由で、フリーランスへの発注を口約束やメールだけで済ませていませんか。

中小企業庁の調査では、フリーランスとの取引でトラブルを経験した企業の多くが「契約内容の認識違い」を原因に挙げています。納品物のクオリティ、修正回数、支払い条件など、口頭では曖昧になりがちな部分が後々の争いの種になるのです。

特に注意したいのが、2024年11月に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」、いわゆるフリーランス新法です。この法律により、フリーランスへ業務を委託する事業者には、取引条件を書面またはデータで明示する義務が課されました。

つまり、契約書を交わさないこと自体が法令違反になる可能性があるのです。中小企業の経営者にとって、フリーランスとの契約は「あったほうがよいもの」から「なくてはならないもの」に変わりました。

本記事では、フリーランスへ業務を委託する際に知っておくべき契約の基礎知識を、初めての方にも分かりやすく解説します。

フリーランス新法で何が変わった?経営者が押さえるべきポイント

フリーランス新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、フリーランスとして働く人を保護するための法律です。発注者である企業側に、いくつかの義務を課しています。

経営者が最低限知っておくべき義務は次の通りです。

  • 取引条件の明示義務:業務内容、報酬額、支払期日、納期などを書面またはデータで交付する
  • 報酬の支払期日に関する規制:成果物を受け取った日から60日以内に報酬を支払う
  • 禁止行為の明確化:報酬の不当な減額、成果物の不当な返品、買いたたきなどが禁止される
  • ハラスメント対策:フリーランスに対するハラスメントの防止措置を講じる
  • 中途解約の予告:継続的な業務委託を解除する場合、原則30日前までに予告する

違反した場合は、公正取引委員会や厚生労働省から指導・勧告を受ける可能性があります。従業員を1人でも雇用している事業者は、この法律の対象です。

「うちは小さい会社だから関係ない」とは言えません。むしろ、フリーランスへの外注が多い中小企業こそ、この法律の影響を大きく受けます。

対策の第一歩は、取引条件を明確に記した契約書を作成し、双方が合意した証拠を残すことです。

業務委託契約と請負契約、どちらを選ぶべき?

フリーランスとの契約には、大きく分けて「業務委託契約(委任・準委任型)」と「請負契約」の2種類があります。

この違いを正しく理解しないまま契約を結ぶと、想定外のトラブルにつながります。それぞれの特徴を整理しましょう。

請負契約は、仕事の完成を約束する契約です。民法第632条に基づき、成果物を納品して初めて報酬を請求できます。Webサイト制作やロゴデザインなど、成果物が明確な業務に向いています。発注者としてのメリットは、納品物のクオリティに対して責任を求められる点です。一方、仕事の進め方についてフリーランスに細かく指示すると「偽装請負」とみなされるリスクがあります。

委任・準委任契約は、業務の遂行そのものを依頼する契約です。コンサルティング、システム運用保守、経理代行など、継続的に業務を行ってもらう場合に適しています。成果物ではなく業務の遂行に対して報酬が発生するため、月額固定で支払うケースが多いです。

選び方の目安を簡単にまとめます。

  • 完成品を納品してもらう → 請負契約
  • 継続的に業務を遂行してもらう → 準委任契約
  • 法律行為を委託する → 委任契約

実務上は、1つの案件でも「制作部分は請負、運用部分は準委任」と分けるケースがあります。契約の種類によって責任範囲や報酬の考え方が変わるため、曖昧にせず明確に定めておきましょう。

契約書に必ず盛り込むべき7つの項目

フリーランスとの契約書に最低限記載すべき項目を紹介します。フリーランス新法の明示義務も踏まえた内容です。

1. 業務内容の明確な定義

「Webデザイン業務」のような曖昧な記載では不十分です。「トップページおよび下層5ページのデザインカンプ作成」のように、具体的な範囲と成果物を明記しましょう。修正回数の上限もここで定めておくとトラブルを防げます。

2. 報酬額と支払い条件

報酬の金額、消費税の扱い、支払日、振込手数料の負担先を記載します。フリーランス新法では、成果物受領日から60日以内の支払いが義務付けられています。月末締め翌月末払いなど、具体的なスケジュールを明記しましょう。

3. 納期と検収の方法

納品期限だけでなく、検収にかかる期間と合否の判断基準を定めておきます。「納品後7営業日以内に検収し、修正がない場合は合格とみなす」のような条件があると、双方にとって安心です。

4. 知的財産権の帰属

制作物の著作権がどちらに帰属するかを必ず記載してください。特にデザインやプログラムの場合、契約書に明記がないと著作権は制作者(フリーランス側)に残ります。著作権の譲渡を求める場合は、著作者人格権の不行使特約も検討しましょう。

5. 秘密保持に関する条項

業務を通じて知り得た情報の取り扱いを定めます。顧客データや経営情報にアクセスする場合は特に重要です。秘密情報の定義、保持期間、違反時のペナルティを含めましょう。

6. 契約解除の条件

どのような場合に契約を解除できるのか、手続きと予告期間を記載します。フリーランス新法では、継続的な業務委託の解除には原則30日前の予告が必要です。

7. 損害賠償と責任の範囲

業務上の過失で損害が発生した場合の対応を定めます。賠償の上限額を報酬額の範囲内に設定するなど、双方にとって公平な条件を心がけましょう。

これらの項目を網羅した契約書を毎回一から作成するのは大変です。テンプレートを用意しておくと、発注のたびに効率よく契約を交わせます。

電子契約でフリーランスとの契約をスムーズにするには

フリーランスとの契約では、相手が遠方にいるケースも少なくありません。郵送で契約書をやり取りすると、それだけで1〜2週間かかることもあります。案件の開始が遅れ、ビジネスのスピードに影響します。

電子契約を活用すれば、こうした課題を解消できます。メリットは大きく3つあります。

  • 締結までの時間を大幅に短縮:メールで送信し、相手がオンラインで同意するだけ。最短で当日中に締結できます
  • 印紙税が不要:電子契約は印紙税法上の「文書」に該当しないため、印紙税がかかりません。国税庁の見解でも、電磁的記録による契約は課税文書に該当しないとされています
  • 契約書の管理が楽になる:紙の契約書をファイリングする手間がなくなり、検索や参照もすぐにできます

フリーランスとの取引は件数が多くなりがちです。1件あたりの手間を減らすことが、業務全体の効率化に直結します。

ただし、電子契約サービスを選ぶ際はいくつかの点を確認しましょう。フリーランス側にアカウント登録を求めないタイプが望ましいです。相手に余計な手間をかけさせると、契約のハードルが上がってしまいます。

電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)第3条では、本人による電子署名が行われた電磁的記録は、真正に成立したものと推定されると規定しています。立会人型の電子契約サービスであれば、サービス提供者が本人確認と締結のプロセスを仲介するため、法的にも安心です。

Simple Contractは、相手方のアカウント登録が不要な立会人型の電子契約サービスです。フリーランスへの発注時に、メールアドレスを指定するだけで契約書を送付でき、相手はURLをクリックして内容を確認・同意するだけで締結が完了します。操作が簡単なので、ITに詳しくないフリーランスの方でも戸惑うことがありません。

トラブルを防ぐための実務チェックリスト

最後に、フリーランスとの契約で失敗しないための実務的なチェックリストをまとめます。発注前に確認する習慣をつけておくと安心です。

契約締結前の確認事項

  • 業務内容を具体的に文章化したか
  • 報酬額、支払日、振込手数料の負担を明記したか
  • 納期と検収方法を定めたか
  • 知的財産権の帰属を明確にしたか
  • 秘密保持の条項を含めたか
  • 契約解除の条件と予告期間を記載したか
  • フリーランス新法で求められる取引条件の明示を満たしているか

契約期間中の注意点

  • 業務の進め方に過度な指示をしていないか(偽装請負のリスク)
  • 追加作業が発生した場合、契約内容の変更を書面で残しているか
  • 成果物の検収を期限内に行っているか
  • 報酬の支払いを成果物受領から60日以内に完了しているか

契約終了時の確認事項

  • 継続的な業務委託の解除を30日前までに予告したか
  • 未払いの報酬がないか
  • 秘密情報の返却・破棄を確認したか
  • 知的財産権の移転手続きが完了しているか

これらの項目は、一度チェックリスト化しておけば、毎回の発注で使い回せます。フリーランスとの取引が増えるほど、仕組み化の効果は大きくなります。

契約のフローを整備し、電子契約で効率化することで、本来の経営判断や事業に集中できる環境を整えましょう。

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