「契約書を1通作成するのに、いったいいくらかかっているのだろう」と考えたことはありますか。紙代や印刷代だけでなく、印紙税、郵送費、保管費用、そして担当者の人件費まで含めると、契約書には想像以上のコストがかかっています。
中小企業では、限られたリソースの中で業務を回していく必要があります。契約書にかかるコストを見直すことで、本業に集中できる時間とお金を確保できるかもしれません。
この記事では、契約書の隠れたコストを洗い出し、具体的な削減方法を初心者の方にもわかりやすく解説します。
契約書にかかる「見えないコスト」とは
契約書のコストと聞いて、まず思い浮かぶのは紙代や印刷代ではないでしょうか。しかし、実際にはそれ以外にも多くの費用が発生しています。まずは、契約書にかかるコストの全体像を把握しましょう。
印紙税
紙の契約書には、契約金額に応じて収入印紙を貼付する必要があります。印紙税法に基づき、例えば1,000万円を超え5,000万円以下の契約書には2万円の印紙税がかかります。年間で数十件の契約を締結する企業では、印紙税だけで数十万円から数百万円の負担になることも珍しくありません。
郵送費と時間
契約書を相手方に送付し、署名後に返送してもらう。この往復の郵送には、特定記録郵便やレターパックを使用すると1通あたり370円から520円程度かかります。さらに、郵送にかかる時間は片道で1〜3日。往復では1週間以上かかることもあり、その間に契約締結が滞るリスクも生じます。
保管・管理費用
紙の契約書は法律で一定期間の保管が義務付けられています。契約書の種類によっては7年から10年の保管が必要です。保管スペースの賃料、ファイリング用品代、契約書を探す時間など、長期間にわたって費用が発生し続けます。
人件費
契約書の作成、印刷、製本、押印、郵送手配、受領確認、保管作業。これらすべてを担当者が行っています。1通の契約書処理に30分から1時間かかるとすると、月に20件の契約を処理する場合、担当者の業務時間のうち約10〜20時間が契約書関連業務に費やされていることになります。
印紙税の負担を減らす方法はあるのか
契約書コストの中でも、特に大きな割合を占めるのが印紙税です。この印紙税、実は法的に認められた方法で削減できることをご存じでしょうか。
電子契約なら印紙税が不要
印紙税法では、課税対象となる「文書」は紙の書面に限定されています。つまり、電子データでやり取りする電子契約には印紙税がかかりません。これは国税庁も公式に認めている見解です。
例えば、年間50件の契約を締結し、1件あたり平均1万円の印紙税がかかっていた企業が電子契約に切り替えると、それだけで年間50万円のコスト削減になります。
すべての契約を電子化する必要はない
「電子契約に切り替えたいが、取引先が対応してくれるか不安」という声をよく聞きます。実際、すべての契約を一度に電子化する必要はありません。まずは社内で完結する契約や、電子契約に抵抗のない取引先との契約から始めるのが現実的です。
印紙税額の大きい契約から優先的に電子化することで、少ない労力で大きなコスト削減効果を得られます。
郵送・保管コストを削減する具体策
印紙税以外にも、郵送費や保管費用を削減する方法があります。紙の契約書を維持しながらでも実践できる方法と、電子契約への移行による方法を紹介します。
紙の契約書でできる工夫
- 契約書の送付方法を見直す(普通郵便で問題ない場合は特定記録から変更)
- 契約書のページ数を減らし、郵送重量を軽くする
- 保管期限が過ぎた書類を定期的に廃棄する
- 契約書の検索性を高め、探す時間を短縮する
電子契約による根本的な解決
電子契約を導入すると、郵送費は完全にゼロになります。契約書はクラウド上に保管されるため、物理的な保管スペースも不要です。さらに、契約書の検索もキーワードや日付で瞬時に行えるため、過去の契約を探す時間も大幅に短縮できます。
中小企業向けの電子契約サービス「Simple Contract」では、契約書のアップロードから相手方への送信、署名、保管までをすべてオンラインで完結できます。月額費用も中小企業が導入しやすい価格帯に設定されており、初期費用なしで始められます。
人件費削減につながる業務効率化のポイント
契約書関連業務にかかる人件費は、見落とされがちなコストです。しかし、業務プロセスを見直すことで、担当者の負担を軽減し、他の業務に時間を使えるようになります。
契約書テンプレートの整備
よく使う契約書のひな形を整備しておくことで、毎回ゼロから作成する手間を省けます。取引基本契約書、秘密保持契約書、業務委託契約書など、頻繁に使用する契約書はテンプレート化しておきましょう。
承認フローの簡素化
契約書の承認に何人もの上長の押印が必要な場合、それだけで数日から1週間かかることがあります。承認権限の見直しや、電子承認システムの導入により、承認スピードを上げることができます。
電子契約による自動化
電子契約サービスを利用すると、契約書の送付、署名依頼、リマインド、完了通知などが自動化されます。担当者が手作業で行っていた業務が減り、契約締結のスピードも向上します。
Simple Contractでは、相手方がメールアドレスさえあればアカウント登録不要で署名できるため、取引先への負担も最小限に抑えられます。契約完了後は、署名履歴付きのPDFが自動生成され、双方に送付されます。
電子契約導入のコストと効果を比較する
電子契約に興味があっても、導入費用との兼ね合いが気になる方も多いでしょう。ここでは、電子契約導入にかかるコストと、得られる効果を具体的に比較してみます。
電子契約サービスの費用相場
中小企業向けの電子契約サービスは、月額1万円から3万円程度が相場です。従量課金制のサービスもあり、契約件数が少ない企業では月額数千円から利用できる場合もあります。
削減できるコストの試算例
以下は、月間20件の契約を締結する中小企業を想定した試算例です。
- 印紙税:1件平均5,000円 × 20件 = 10万円/月
- 郵送費:往復1,000円 × 20件 = 2万円/月
- 人件費:1件30分 × 20件 × 時給2,000円相当 = 2万円/月
- 保管費用:約5,000円/月(スペース・用品代按分)
合計で月額約14.5万円のコストがかかっている計算になります。電子契約サービスを月額2万円で導入した場合、差し引き12.5万円、年間で150万円のコスト削減が期待できます。
導入効果は金額だけではない
コスト削減以外にも、電子契約には多くのメリットがあります。契約締結までの時間が短縮されることで、ビジネスのスピードが上がります。また、契約書の紛失リスクがなくなり、監査対応も容易になります。リモートワーク環境でも契約業務が滞らない点も、昨今では重要な要素です。
電子契約の法的効力は大丈夫なのか
「電子契約で本当に法的に有効な契約が結べるのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。結論から言えば、電子契約は法的に有効です。
電子署名法による裏付け
電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)では、本人による一定の要件を満たす電子署名が付された電子文書は、真正に成立したものと推定されると定められています。これは、紙の契約書に押印した場合と同等の法的効力を持つことを意味します。
立会人型電子契約とは
電子契約には大きく分けて「当事者型」と「立会人型」があります。当事者型は、契約当事者がそれぞれ電子証明書を取得して署名する方式です。一方、立会人型は、電子契約サービス事業者が署名プロセスを仲介する方式です。
立会人型は、相手方が電子証明書を持っていなくても利用でき、導入のハードルが低いのが特徴です。Simple Contractは立会人型の電子契約サービスで、相手方はメールで届いたURLから署名画面にアクセスし、契約内容を確認して同意操作を行うだけで署名が完了します。
証跡の記録で安心
電子契約では、いつ、誰が、どのような環境で署名したかの証跡が自動的に記録されます。署名時刻、IPアドレス、ブラウザ情報、契約書のハッシュ値(データの指紋のようなもの)などが保存され、後から改ざんされていないことを証明できます。
紙の契約書では難しかった「いつ署名されたか」の証明も、電子契約なら確実に残すことができます。
契約書のコスト削減は、単なる経費節約にとどまりません。業務効率化による生産性向上、契約締結スピードの向上によるビジネス機会の拡大、そしてペーパーレス化による環境負荷低減にもつながります。
まずは自社の契約書にかかっているコストを可視化することから始めてみてはいかがでしょうか。印紙税、郵送費、保管費用、人件費を洗い出すことで、どの部分に改善の余地があるかが見えてきます。
電子契約の導入を検討される場合は、無料トライアルを提供しているサービスを試してみるのも一つの方法です。実際に使ってみることで、自社の業務に合うかどうかを判断しやすくなります。

